奈緒とそんな会話をしてた
その時、教室の後ろのドアが開いて葵が顔を覗かせた。

クラスの女子達が驚きの声や黄色い悲鳴をあげた。


「あー葵くんだ!」

「キャー!可愛いー」


そんな声も、おかまいなしに葵は辺りを見回し美咲をみつけると

「藤ヶ谷セーンパーイ!!」

と、とびきり明るい声で呼び掛けてきた。

美咲は回りの女子達の痛いほどの視線を感じる。

奈緒が慌てて美咲の腕を揺らして

「一斗、来たらヤバくない!?」


「うわっ!そうだね、ちょっと行ってくる」

美咲は葵の元に駆け寄り少し早口で

「葵くん何か用事?」

「先輩、ちょっと来て」

葵は美咲の手首を掴み
2年の教室から特別教室へと続く渡り廊下まで連れて来た。

こんなところを一斗に見られたら大変な事になりそう。