その顔を見て俺ははっとした。




こいつ!

南中の笹山じゃねーか!!!



隼斗は、中学のころから噂の人だった。


女子とも仲が良かった俺は、よく隼斗の話を聞かされていた。


そんな有名人だとは知らずに、まっきーは話を続ける。



「俺ら道に迷っちゃって。どーすれば街の方に行けますか?」


笹山は少し驚いたような顔をして、


「あー、この辺ちょっと分かりにくいんで一緒に行きます。」


と、意外にも親切なことを言った。



まっきーは喜んでいたが、俺はこの偶然の出会いに驚くばかりだった。