その瞬間、 女子の黄色い歓声が響く。 王子は表情ひとつ変えずにその集団に手を降った。 そうしてまた視線を外に移す。 「高尾、行こう。」 気づけば俺は高尾の腕を引っ張り、歩き出していた。 帰りの階段は行きとは対照的に空いて、とても歩きやすい。 でもなぜか、俺と高尾は教室に戻るまで無言だった。 自分の教室のドアを開け、席に戻る。 すると、高尾が思い出したかのように口を開いた。 「すげえ…」