文化祭が終わって一週間が経った。
「もうすっかり寒いね〜」
『お前すぐ風邪引くんだから暖かい格好しとけよ?』
「直樹、お母さんみたいだよ」
あれから、何も無かったかのように今まで通りに奈実乃と話すようになった。
奈実乃の涙の真相も俺の気持ちもわからないままだ。
空を好きになるって決意して、付き合ってからもう2ヶ月経ったんだ。
俺は何をやってたんだろう。
空を好きになれたのか?
朝、玄関のドアを開けて外に出ると奈実乃の母が外に立っていた。
「あー!直樹くーーん!いいところに来たわっ。」
朝から呆れるほどハイテンション。
「奈実乃、朝練行っちゃったんだけど弁当忘れてったのよねー。持って行ってくれない?」