「直樹ーーー!?いつまで寝てるのよ!」
母の大きな声に目を覚ます。
『げっ!あと20分で遅刻じゃん!』
いつもなら今頃すでに出ている時刻だ。
朝練が終わって、ゆっくりできると思っていたのが運の尽き。
この通り、ゆっくりし過ぎてしまった。
「朝ごはんはーー?」
『食ってる暇ねえーよ!』
ダッシュで着替えてダッシュで家を飛び出す。
お腹が空いていて胃が気持ち悪い事も気にしてられない。
一時間目が終われば食堂に行って朝ごはんを食べよう。
俺が全力で走っていると、前方に奈実乃らしき人物を捉えた。
あいつも遅刻か?
すると、奈実乃に自転車に乗った長身の男子が近づいてきた。
そして、奈実乃の顔に……。
一気に気力が下がった。
走る気力。
おそらく、というよりあれは涼介先輩だ。
奈実乃を後ろに乗せて学校に走ってる。
あー、もういいや。
遅刻で。


