夏休みが明け、長い長い始業式もなんとかクリアした。
久しぶりという気はせず、一ヶ月ちょっとぶりの教室は昨日まで普通に授業を受けてたかのよう。
髪を短く切った人がほとんどでパーマやほんのり茶色に染まった髪の人もいた。
「おい、直樹髪切ったのかよ」
『昨日行ってきた。』
さとしはほとんど何も変わっていなかった。
「爽やか感増してじゃねーか!ムカつくぜこのっモテ男ヤロー」
嫌味を言いながらもいつも通りに明るさを見せてくれるさとし。
やっぱこいついい奴だな。
全部知ってるのはこいつだけ。
俺の気持ちや失恋。
そして、新しく切り替える事。
今度こそもう戻ったりはしないさ。
「もうすぐ体育大会だ。それまでに彼女つくろーぜ」
この学校は9月に体育大会、11月に文化祭と二大イベントが続いている。
さとしは、俺の肩をポンと叩いてから自分の席に戻った。