隣の一番星




夏帆の体は宙に浮き、そのままドスっと俺の両腕に囲まれた。





安心した夏帆は再びわんわん泣き声を上げた。





「ううぅー…おにいーちゃあーん!怖かったよおーー!」





よしよし、と頭を優しく撫でて夏帆を抱きかかえたまま親たちがいるところに戻った。





「なにやってんのよばか!」

「もう隠れんぼはしちゃいけません!」





とこっぴどく叱られた俺たち四人。





もう遅い時間になり、テントや道具を片付けていた。
すると、奈実乃が、






「直樹、さっきは最低とか言ってごめん」

『や、俺の方こそごめん!いきなりあんな事して』






ガチャン、とテントの足がぶつかる音がする。
夏帆のすすり声はもう聞こえない。







「ううん、いいの。でもその代わり無かった事にしてね。」


『………うん、分かってる。』







俺の一生をかけた恋はムシムシと暑い夏と共に去っていった。