『やめろ、奈実乃!登るな!』
俺はそこに向かって全速力で走る。
奈実乃は俺の声が聞こえながらも、必死に登ろうとする。
『どけって!』
「やめて、はなして!」
ようやくたどり着いた俺は、奈実乃を下ろそうと木から引っ張る。
そして、奈実乃を木から離すと俺は手を広げた。
『夏帆、飛び降りろ!』
そう叫ぶと、奈実乃はビックリしたように言い放った。
「ばっかじゃないの!?そんな事したら夏帆ちゃん怪我しちゃう!」
『気にすんな夏帆!兄ちゃんが絶対受け止めてやる!安心しろ!』
そう言うと、さっきまでわんわん泣いていた夏帆は泣き止み、ギシっと体を動かした。
『ほら、夏帆』


