あれから少し奈実乃との距離が縮まったような気がする。
気がするだけだけど。
夏休みももうすぐ終わってしまう。
ミンミン…とセミの鳴き声はまだまだ現役だ。
「直樹聞いて!」
俺が風鈴の音にたそがれながらスイカを食べていると、奈実乃と同じようなトーンで俺の母が話しかけてきた。
「直樹と奈実乃ちゃんの部活オフがかぶってる日があったのよ!」
40代とは思えぬ暑苦しいくらいのテンションの高さ。
「日帰りキャンプよーーー!」
日帰りキャンプ。
残りの夏休みで奈実乃と二人の思い出が作れるなんて。
「行く?行かない?」
勿論、行かせていただきますよ。


