『好き』
周りの雑音なんてほとんど聞こえない。
聞こえるのは噴水の音と俺と奈実乃の心臓音。
奈実乃を照れさせる事にむかついた。
奈実乃を泣かせる事にむかついた。
奈実乃を喜ばせる事にむかついた。
だけど、今は。
『気付いてないと思うけど、俺はお前の事好きだから』
真っ赤な奈実乃見て思う。
俺にも奈実乃を照れさせる事が出来るんだ。
「え、直樹…。ほんき?」
涙を流し終えた赤い目と熱を帯びた赤い顔。
「え、あ、あの…!」
返事なんて分かってるさ。
だから少しずるい事をしよう。
『言っとくけど、俺別に付き合ってとか言ってないからな?伝えただけだよバーカ』
奈実乃の顔は余計に赤くなる。
「な、直樹のいじわる!」
少し得意げに笑う俺とムキになって笑う君。
俺は隣に入れるだけで十分なのかもな。


