「直樹ごめん!ほんとごめん!」
部活帰り、たまたま俺たちは遭遇した。
『いいよ別に』
いつも通り何事もないようにシレっと返してるつもりなのに、奈実乃は一生懸命謝ってくる。
『だから、いいって。別にお前と行きたかったわけじゃねえし。誘ったのは行く人いなかったからだよ』
奈実乃はビックリしてる。
少し強く言い過ぎたかな。
「そ、そーだよね!別に私と行きたかった訳じゃないもんね!」
『うん。せっかく好きなやつと行けるんだ、楽しんでこいよ』
俺がそう言うと、今度は顔をくしゃっとさせた笑顔でこう言った。
「ありがとう!直樹大好き!今度なんかおごるね!」
俺のことを大好きと言う言い方と、先輩の事を好きと言う言い方は全く違う。
〝あなたは恋愛対象じゃない〟
そう言われた気分だった。


