みんなと別れた後の俺と奈実乃の二人で家に帰る時の足取りは重かった。
『そんな気にすんなって、な?』
「直樹は他人の事だからどーとでも言えるのよ」
失恋の痛み、ですか。
『男なんて山ほどいるだろー』
「好きな人が他の子の事を好きだった時の気持ちなんて、直樹には分かんない!」
そう言われた事の記憶が未だにハッキリ残っている。
俺以上にそういう状況を体感してるやつはいないだろってな。
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今年は、先輩と行きたいなんて言い出すんだろうな。
「もちろん、お前は高濱と行くんだろ」
『いかねえよ、馬鹿』
断られんの分かってて誘えるほど強い心じゃないんでね。