だんだんと寒くなってくる。
俺は姿勢を整えて、空の目を見つめる。
『俺、ずっと奈実乃が好きだった。』
空は、うん、と頷く。
『んで、振られた時に空に告られて、忘れるために利用したんだ。空とは一緒にいると楽しいし、好きになれると思った』
空はただ、まばたきもしないで頷く。
『だけど、無理だわ。利用する人間違えた。』
溢れてしまいそうな涙を精一杯こらえる。
『空みたいな良い子、騙して傷付けるなんて俺の身が持たねえよ………』
その瞬間、空は俺を抱きしめた。
『そ、空………?』
ギュっと小さな力で締め付ける。
「好きだよ……直樹くん。私、全然良い子じゃないよ…?」
『空………』
その後の空が発した言葉は、俺の我慢していた涙を溢れさせてしまった。


