「お待たせっ」
白い息を吐きながら駆け寄ってくる。
辺りはすでに真っ暗で、小さな灯りだけがポツポツと。
楽しくおしゃべりをしながらイルミネーションが飾られている公園のベンチに腰掛ける。
「ねえ、直樹くん。」
『ん、どした?』
公園には二人きり。
「好きだよ。……直樹くんは?」
胸のズキという痛みは今だにある。
その正体は分からないまま。
「うそ、答えなくていいよ」
問いを投げかけた後、すぐに空は言葉を言い直した。
『なんで?』
静かで真っ暗な背景は俺たちを見守るように包み込む。
「私ね、直樹くんが好きだから分かるの。直樹くんは私の事好きじゃないって」
『え、そんな事……!』
俺の言葉を遮るようにして話を進める空。
「きっと忘れられない誰かが心の中に居るままなんだね。」
切なそうに、それでも優しく微笑みを見せる。


