隣の一番星




『奈実乃』





特に何かを言いたかったわけではない。



ただ、名前を呼ばれて笑顔で返事する奈実乃が見たかった。






「直樹っ」


『!!』





だけど、そんな俺の期待よりも大きな満足感を与えてくれた。



なんだよ、俺が呼んでるのになんでお前まで俺の名前呼んでんだよ。






『とっとと学校行けよ』






大人っぽく微笑んで俺の目を見る奈実乃の顔をそれ以上見続けることは出来なかった。





「えーーー。ちょっと直樹、まってよー!」





そんな奈実乃の声なんて無視をして部屋に戻る。




先輩の事好きとか言ってるけど、どうせ憧れなだけだって。




そう、そうだよ!って、自分に言い聞かせ続ける事しかできないけど。