「お母さんからのプレゼントと思って、
色違いのお揃いを買ってあったの。
華には渡せなかったけど、
愛には渡そうと思って。
花火大会、楽しんでらっしゃい。」



そう言ってお母さんは切なく笑った。



「……うん…ありがとう…お母さん。」



久しぶりにお母さんと呼んだ気がする。



「じゃあ、気をつけてね?」


「ねぇ、お母さん。」



階段を降りてリビングに向かおうとしていた
お母さんを呼び止めた。



「何…?」


「…浴衣…着付けてくれる?」