振り向いた瞬間に、目の前が真っ暗になった。
圭ちゃんが私を強く抱きしめていた。
「…け、圭ち……」
「愛……愛…」
私の名前を途切れることなく呼び続ける圭ちゃん。
心臓の音が早くなる。
耳元で聞こえる圭ちゃんの鼓動。
凄く早い。
今、部屋から走ってきたからかな……?
「…圭ちゃん…」
「愛…俺、かっこ悪ぃな。
俺…柄にもなく、愛が見舞いに来なくなったり、
退院の時も来なかったことに、
凄く怖くなった。」
圭ちゃんの声は水分を含んだ声になっていた。
私を抱きしめる腕も体も
震えていた。
「また居なくなるのかって。
ほんとに……怖かった。
けど、よかった。
今ここに愛がいる………」



