教室に入ればお互い離れた席につく。 私は廊下側の列で、 まつりは窓側の列。 空になったお弁当箱をかばんに片付けて、 次の授業の準備をした。 「…永瀬、次の時間何だっけ?」 後ろに座るクラスメイトの 城野陽斗(じょうのようと)くんが話しかけてきた。 「えーっとね、数学だよ!」 「ありがとー」 ただそれだけの会話でも、 ヨウくんはクシャッと笑ってくれた。