「ありがとな愛。」 そう言って圭ちゃんは私から離れた。 「う、ううん。じ、じゃあ私、帰るね?」 私はそう言って病室を後にした。 病室の扉が閉まってすぐ 私は足の力が抜け、 その場に座り込んでしまった。 抱きしめられた背中や、 圭ちゃんの肩が当たっていた顔や、 撫でられた頭が ジンジンと疼(うず)く。 いつまでも熱をもって…… 圭ちゃんの腕はとても安心感があって、 耳にかかった鼻息。