【完】私なりの愛のカタチ。






「…送ってくれてありがとう。まつり。」


「ううん、あんまり落ち込まないでね。
寂しいだろうけど、
すぐ会えるし、あたしたちで良ければ
一緒にいるからさ。」



「…うん…なんかいつでも逢えるはずだし、
一生会えないわけじゃないのに
なんでか別れるのは寂しくて。」



「そんなの当たり前だよ。誰だって別れは寂しい。
また会えるかもしれないけど、
今、一緒に居たいんだもん。あたしだってそうだよ。
湊がいつ日本に帰ってくるかも分かんないし、
帰ってもまた母国に行っちゃうかもしれない。
いつだって気が気じゃないよ…」



まつりはそう言って空を見上げる。



「だけどさ、そんな所も全て含めて
あたし、湊が好きだから。
待てるし我慢できるんだよ」



…まつりは強い。

自分の意志をちゃんと持ってる。
寂しさも好きに変えて、
ちゃんと湊くんを想ってる。



愛されてる湊くんが羨ましいほどだ。



「愛だってそうでしょ?
しばらく会えないからって
幼なじみ先輩を嫌いになったりする?
愛はそんな事で嫌いになれるの?

その程度の“愛”だったの?」



「ううん、違う。
私はどんな圭ちゃんでも大好きだから。」


「そうだよね?
だったら大丈夫よ。
あたし知ってる、愛は大丈夫だって。」




あっ…………




「僕も知ってる。まつりが寂しがってること。」