「ほんとありがとう。
あ、電車来たな。」


「…圭ちゃん。行ってらっしゃい」



「…愛」



「…っ!!」



圭ちゃんは私を強く抱きしめた。





「愛、好きだよ。大好きだよ」




最後の方の言葉は震えているように聞こえた。


私の肩へおでこを乗せた圭ちゃん。



……肩に雫を感じる。

圭ちゃん…泣いてくれてるのかな……



「圭ちゃん……」


「俺、カッコ悪ぃな」



そう言って私に笑いかける。



「かっこ悪くなんてないよ。
寂しいって思ってくれたんだよね?
私、すっごい嬉しいし、
かっこいいと思うよ……」


「ありがとう。」



圭ちゃんは目に涙を浮かべ、
来た電車に乗り込んだ。



「…待ってて。絶対に、迎えに来るから」



私は声にならなくて
ずっと頷き続けた。