「愛、泣きそうだよ?」
「さ、寂しいもん…泣きそうになるよ…」
「ごめんな…」
圭ちゃんは私の頭に大きな手を置いて
そう切なく言う。
「…でも今日、そのことを言いに来たんじゃないの…」
「え?」
午前中で電気をつけていなかった部屋は
正午になるに連れて
薄暗くなっていく。
「あのね…私は小さな頃から…
圭ちゃんの事大好きだった。」
言った。
私は俯いていた顔を
圭ちゃんの方へ向き直した。
「…え」
圭ちゃんは驚いた顔をしていた。
「…ずっと…言わないつもりだったの。
圭ちゃんはお姉ちゃんの事好きだったし、
こんなこと言っちゃったら
幼なじみっていう関係が
壊れてしまうって怖くって。
でも…圭ちゃんが県外の大学に行くって
決まって、言わなくちゃって思ったの」
私は少し震えた声でそう伝えた。



