『え?あ、うん…逢えるよ』 「…じ、じゃあ、圭ちゃんの家に行きます」 『あ、うん分かった。待ってるね』 圭ちゃんはまた優しく言ってくれた。 そして、電話を切る… ひとつひとつ準備をする度に、 鼓動が早くなる。 ドキンドキンと、部屋中に響くように…… 「お母さん…少し出かけるね」 「わかったわ。気をつけなさい」 「圭ちゃんの家だよ」 「そう。分かった。いってらっしゃい」 私は家をそっと出た。