「…永瀬、」 「何?ヨウくん……っ!?」 群青色に染まっている空をバックに、 ヨウくんが私を抱きしめた。 「…ごめん。強引にしないって言ったのに…」 「…ヨウくん……っ」 「ごめん」 ヨウくんは何度も「ごめん」と もらしながら、 私を抱きしめ続けた。 「…送るな」 「あ、うん……ありがとう」 私はヨウくんに手を繋がれたまま、 帰宅した。 「…お、送ってくれてありがとう…」 私は目を合わせられずにそう言って、 家に入った。