「…なぁ、永瀬、
あれって…」


「……あ、圭ちゃんっ」


まつりの家に向かっている途中で
道を挟んだ私達と違う道を歩いている
圭ちゃんをヨウくんが見つけた。



「幼なじみの先輩、だよな?」


「うん…」


「声かけなくていいのか?」


「…うん…大丈夫!
まつりの家に向かおう!」


「おう」


私は圭ちゃんに声をかけることなく、
まつりの家に歩き始めた。



その時………


「……っ!」



反対側を歩いている圭ちゃんと




目があってしまった。




私は気づいていたにも関わらず、



目を逸らして気づかないフリをした。