「…あ、ありがとう…!」



小さな箱を渡され、
私はその箱を見つめた。


「それと…大学は県外に行く。」



ドクン…



私の中に何か生暖かいものが流れだす。


そっか…県外なんだ…。



私は「そっか」と
自分の気持ちをバレないように
つぶやいた。



「その試験はもう終わって、
俺は合格したよ。
俺、大学でちゃんと
やりたいこと見つけてくるから。」



圭ちゃんはそう言う。


「…どうして私に?」



「俺のことを真剣に
考えてくれてるのは愛だし、
一番大切だから…」