それから、由奈ちゃんは
まだ、教室をまわると言って、
どこかに行ってしまった。



私は課題もちゃんとカバンに入れて、
教室を出た。



そして家に向かって
歩き出した。


「…あ、…圭ちゃんだ」



私の前に圭ちゃんの後ろ姿が目に入った。


「…圭…ちゃ…」


私は圭ちゃんの名前を飲み込んだ。


なぜか、声がかけられなかった。


声をかけて、
私が口走って
進学?就職?なんて聞いちゃって…


もし、


進学って言われて…


由奈ちゃんみたいに
県外に行ってしまったら………



……って私、考えすぎ…かな?