「あ!圭ちゃんっ……」
私は先に帰ってもいいのかな?
と考えていると、
心の中を読んだみたいに
由奈ちゃんが声をかけてくれた。
「いいよ!圭吾と帰んな!
送ってもらえ~!」
由奈ちゃんはそう言って、
私の背中を押す。
「あ、はい!じゃあ、
さようならっ!」
私は少し戸惑ったけど、
由奈ちゃんに甘えて
圭ちゃんを追っかけた。
「…まって圭ちゃんっ」
正門を出たくらいに
圭ちゃんに追い付くことができて
名前を叫んだ。
私の呼ぶ声に立ち止まって振り返ってくれる圭ちゃん。
「…一緒に帰っていい?」
「いいよ」
私は圭ちゃんと一緒に
並んで歩いた。



