すこし、沈黙が続いた後、 先生はしっとりと、お姉ちゃんに語りかけた。 「永瀬……俺は、もうここには来ないかもしれない。 だから……最後と思って伝えるよ。 華…ずっと好きだった。」 そう言って先生はすぐに墓石の前から離れて 来た道を戻って行った。 私は先生を追いかけた。 「先生!」 私が呼び止めると、 先生は立ち止まった。 「……永瀬さん。ありがとう…」 そう言って先生は 朝学校に取りに行った荷物を 肩にかけなおして、来たバスに乗った。 私も後を続いてバスに乗り込んだ…