「え?」 「知ってたよ。 永瀬が俺に好意を持ってくれていたこと。 でも、それを自覚してしまったら、 教師で居られなくなる。だから… 気づかないフリをしてたんだ……」 三上先生は鼻をすすりながら、 私に話してくれた。 「……お姉ちゃんはあの日、 先生に告白するって言ってました。 その手紙を渡したかったんだと思います。」 「…そうだったのか… 俺が、気づかないフリなんてせずに、 分かってる、って言ってやっていれば… こんなことに………」 先生は私の前で座り込んでしまった。