由奈ちゃんはそう言って 私の肩をポンと叩いた。 私はクルッと体の向きを変えて、 体育館に居るであろう、 三上先生の元に向かった。 体育館に入ると、 もう三上先生の周りに人はいなくて、 体育館を見渡す三上先生の姿だけだった。 「…お姉ちゃん…渡すね?」 私はそう目を瞑ってお姉ちゃんに告げて、 三上先生の名を呼んだ。 「三上先生」 「…はい!」 先生はビックリしたように 勢いよく振り返って私を見た。 「あの…永瀬華の妹の永瀬愛です」 私は自己紹介をした。