「あーあ。まじダルい。」

独り言のようにポツリと出た言葉。

明るい栗色の髪の毛にゆるく巻いた女の子。

それが" 白石 杏奈" だった。

高校を卒業して目標も夢も何もない杏奈は

こうやって毎日夜、外に出て遊んでいた。

「ねぇねぇ、彼女!暇してる~??」

そんな軽い男達の言葉を無視して歩き出す。

「ごめーん!遅くなった!」

そう言ってこっちに小走りで来るのは

中学の時から仲が良い"小野 愛美"。

少し落ち着いた茶色のショートカット。

性格は男っぽいが顔立ちはかなりの美人。

「遅いよー。あ、和也達もうすぐ来るって」

そう言って携帯を扱いながら煙草を吸う杏奈。

2人はいつも一緒で夜に会っては遊んでいた。

「愛美、もうすぐ大学生なんだねー。」

私は携帯を扱いながら愛美に話しかける。

「そうなんだよね。もう本当ダルい」

そうやって愛美は愚痴を吐きながら煙草に火を付けた。

「あ、そういえば親大丈夫だった?」

「いやー、もうそれがウザくってさ。
ほとんどシカトして出てきちゃったよ!」

そう言いながら笑う愛美はモテるんだろう。

「和也達もうすぐ着くみたい。」

そう言って煙草を地面に落とし足で消した。

「あ、ほんと?じゃあ行こっか!」

愛美もつられて煙草を消して2人で待ち合わせの
コンビニへ歩いていった。