暗闇の世界に私はポツンと立っていた。
壁も、床も、天井も。
何もかもが漆黒に染まっていて、全く区別がつかない。


『ここは、何処なの?』


私の弱々しい声がこだますものの、誰かが周りにいる気配はないし、かと言って抜け出す術も知らない。


私はゆっくりと歩き出した。
すると、歩いていくに連れ、真っ黒な景色に灯りが灯っている。


どうやら、それはスクリーンのよう。


私は立ち尽くした。
そのスクリーンに映っていたのは、「あの日」の私だったから。


『これは...っ、!』


次々に怪我を負っていく仲間達と、端から見ると痛々しい、ざっくりとした大きな傷を背中につけた私を、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべながら見る男。


無力。絶望感。そして、敗北感。
最早、スクリーンの私も見ている今の私も負の感情しか渦巻いていなかった。


『こんなの見せつけられたら、忘れることなんて出来ないよ...』


くらり、と目眩がしたかと思うと、意識が遠くなっていくのを感じた。