息が…
息ができない…
苦しい…
苦しい…
苦しい…
必死でこの状況から抜け出そうと男の腕に爪を立てる。
しかしどう足掻いても、幾らもがいてもその腕は振り払う事は不可能。
力は緩むどころか更に増す一方。
慎哉の首をへし折る勢いで締め上げる。
「…の野郎!」
声を荒げ駆け出す輝。
転がるバタフライナイフを手に男へと立ち向かう。
苦痛に顔を歪める慎哉に対し、楽しそうに笑顔を浮かべる男は近づく輝の姿に気づき慎哉を思いきり壁に突き飛ばした。
「ぐっ……かはっ……」
勢い良く背中をぶつけ、ずるりと床に座り込む慎哉。
不足していた酸素を何度も吸いながら輝へと視線を向ける。

