(何してるんだろう…)

そう思った矢先、先輩たちの顔が近づいているのがわかった。

(あ、見ちゃダメだっっ)

そう思ったのが、遅すぎた。

先輩たちがキスするところ見てしまったんのだ。

私の顔も、足も動かなくなってしまった。

「大西!」

そう叫んで、佐伯は私の手を引っ張り、走った。

少し走って、佐伯君は止まって、振り返った。

「大西…、なんか、ごめん。」

「佐伯が謝ることないよ。それに…大体わかってた…」

知ってた。

先輩たちが付き合ってるかもって、上から見てても思ってた。

なのに、なんで涙が止まらないんだ?