「ごめん、遼。待ってもらっちゃって。」


私は部活が終わってから下足室で待って欲しいと遼に頼んだ。


「いや、いいよ。どうしたの?」


「あのね、私達、別れない?」


「真実は俺といたら不都合なの?」


私は首を振る。


これが、私のした決意。


「じゃあ、なんで?…昨日、キスしようとしたから?」


私はまた、首を振る。


告白をするときも、こんなに緊張するんだろうか。


「今日、さ、武内先輩に会ったんだ。そのとき、ラッキー、とか、喋れて幸せ、とか思っちゃったの。」


「遼といるときよりも、幸せだったの、ゴメンね。」と付け加える。


遼は何か言葉を探している様子だ。


「遼と、一緒にいて楽しかったよ。武内先輩と服部先輩がいたときもすぐ立ち直れた。」


ありがとう。でもね、と私は付け加える。