「あぁ、今から、美術だよぅ」


同じクラスの友達が嫌そうに言う。


今日の3・4限目は美術だ。


美術室はここから真反対の校舎の最上階だ。


遠いから、みんな嫌がる。


―――――……


美術の授業が終わった。


「真実~、早く帰ってご飯食べよう」


「も~食いしん坊なんだから~」


私は言う。


クラスの友達と教室に向かって歩く。


こうやって友達といると、昨日のことを忘れる。


「ねぇ、真美?ちゃん?」


私は肩を叩かれる。


後ろを振り返ると、武内先輩だった。


「え?」


武内先輩がなんで私の名前を知っているのかがわからなかった。