女バス部がサッカー部に恋をした。

「…楽しかった。すごく。だから、き、今日が初デートにしてあげるんだから。」


「なんでツンデレキャラなの?」


私たちは笑う。


楽しい。


この感情は嘘じゃない。


「じゃあ、帰ろっか。送るよ。」


「いや、いいよ。家、すぐそこなんだ。」


遼の誘いを私は断った。


「そう、じゃあ…」


(えっ)

遼の手が肩にのる。


遼の顔が近づいてくる。


(キス、される!?)


「ダメッ」


私は遼の体を押しのけた。


「えっ」


遼は驚いた顔をしていた。


けれど、遼よりも私の方が驚いた。


(私…何して…)


「え、ちょ、真実!」


遼が呼んでるのを後ろに聞きながら、私は家に向かって走った。