「体育の授業は、合同に なるんですが…

1年生の間はB組、2年に なったらC組、

で…3年の時はD組と合同に なります。




それで今日は、卓球かテニスを選んで分かれて貰いたいんですが、

ペアを組む時は、違うクラスの人とコミュニケーションを取れる機会に なるから、

出来るだけ自分のクラスじゃない人と、ペアを組んでください」






高校に入学してから初めての体育の授業で、

初めて、他のクラスの人達と一緒に なった。


とりあえず、ぼーっ と そのままグラウンドに残って、

テニスを選択したと見えるように していたけれど、

でも 思っていた通り、誰も…B組の女子も、全然 話し掛けて来ない。




…別に、寂しく なんか ない、けど。


でも また1人かなぁ って、ぼんやり考えた。




…その時、

甘くて優しい香りが して、

思わず顔を上げると、目の前に天使みたいな女の子が立っていた。






―私じゃ、ないよね…?




周りには 誰も居なかったけど、

こんな可愛い女の子に話し掛けられる覚えが全く なかったから、反射的に目を逸らした。




そんな私の顔を覗き込んで、




「よかったら、一緒に組んでくださぁい♡」




香水と同じ 甘ぁい声で、天使は微笑った。






「え、えーと…


…は、はい…」




緊張で、上手く笑えない。




引き攣った、とんでもない顔を してた と 思うけど、

彼女は怖がる どころか、嬉しそうな笑みを浮かべた。






「…よかったぁ♡


私 運動 全然 出来ないんだけど…

どうか 大目に見てね 笑」