「……花村様、お聞きしてよろしいでしょうか。……何故、佑斗を婚約者にしたいと思ったのですか?」


私が今、敬語を使う理由は、怒りをコントロールするためだ。

今すぐにでも、彼女の横から佑斗をこちらに引き寄せたい……という思いを、必死に押し込める。




「だって、学校の皆さんが、佑斗様のことをよく話題に出すんだもん。翔様や大樹様もよく出てくるけど、佑斗様が1番多いのよ」


……あぁ。

そういうこと、ね。



「つまりは、花村様は、佑斗が人気だから婚約者にしたいのですね?」