嘘をひとつだけ。

「愛菜ちゃんって意外とガッツリ食べるんだね」


「そ、そうかな?」


昼に会った愛菜はよく食べて、よく笑う子だった。

美味しそうに頬を緩めて食べる愛菜は可愛いかった。



「薫くんこそー、すっごい食べてるじゃん!」

「俺は男だからふつー。愛菜ちゃんって食べること好きなの?」

「うん、大好き」


大好き


その言葉が胸に響く。
別に俺のこと言ったんじゃねーけど。