嘘をひとつだけ。

寝といて今更なんだけど、俺はすっげー緊張してた。

選んだのは落ち着いた雰囲気のカフェ。


この前は、お酒がお互い入ってたけど。
今回はきちんと、食事をしたい。



「わー、このお店素敵!」


愛菜は店に入るなりキャピキャピとはしゃぐ。


「愛菜ちゃんの雰囲気っぽいと思って。」


愛菜は一瞬、目を伏せた。
それはほんの2、3秒。


次の瞬間、彼女はニッコリした。


彼女の行動の端々の違和感。


俺はそれを緊張していて、ただ彼女に夢中で。

見逃した。