ふと私は思う『どうしてこの子は

私に助けを呼んだのだろう』と。

黒い物体と私の間の距離には通勤中の

サラリーマンや学生だっている。

なのにその人たちではなく…私に助けを

求めた。それがとても不思議でならなかった。


だが……今はそれどころではない!!

黒い物体が私たち目掛けて走ってきている。

「ギャアァァァァァァ!!!!!!」

まだ朝なのにこんなに叫べる自分って………

すごい!!!

さっきの子供を抱え叫びながら

街の中を突っ走った。

気が付くと、もう学校の前まで来ていた。

中学三年神無月神那(カンナヅキカンナ)の

せわしい日々はここからはじまった。