冷たい手が触れるようなカンカク……

こんな感覚ははじめてだ。

「ねぇ…助けてよ…お姉ちゃん…。」

私のすぐ足元から聞こえる悲しそうな声

これは子供の声だとすぐにわかった

足元を見るとその子は目に涙をためて

私を見上げていた。

「ひっ!?」

恐怖のあまり思わず声が漏れてしまったが

その子は幽霊ではなく本当の人間であった

「あ…あせった~。」

ほっと一息ついたのもつかの間

よく見れば道の端から黒いものが

私達を追いかけてきていた。