竜胆〜りんどう〜

「…そう…
じゃあ…前田 るい…でカルテ書くわね
よいしょっと
じゃあとりあえず身体見ていくわね…」

柏木先生が診察をするのに
あたしに手を伸ばしてきた

ビクっ

ベッドの中で
あからさまに反応してしまった…

ギュウっと目を瞑り記憶を締め出す

…ル…イ…
……ル…イ……

声が聞こえてくる…
ママの苦しげな声が…

「るいちゃん‼︎」
柏木先生の声

はっとする

ああ…また…
記憶があたしを苦しめ離さない…

「…ちょっとチクっとするけどゴメンね…
ゆっくり…目を閉じて…
そう…大丈夫
夢も見ないから…安心して…」

柏木先生の声が何処か遠くに聞こえ
あたしは再び真っ暗なヤミに落ちていった