竜胆〜りんどう〜

「はーい部外者は出てー
アンタもよ、京吾
出て…」

「あ?出て行くワケねぇだろ」

チッと舌打ちをし睨む目の前の女医

「…カーテン閉めるし、その外に出て」

今度はコッチが舌打ちをする番だった

「…彼女に変態って思われたい?
とっとと離れて!」

シャっとカーテンを引き
オレをサッサと締め出しやがった

ーーー

「気分は…って良くはないわよね…
ここは病院だから安心してね
自分の状況ってわかる…かな?
あー…先に名前教えてもらえる?
私は柏木…柏木 恭子
…この病院の外科医なんだけど…って
自分のコトはいいわ
えーっと…」

「…い」

「ん?何?…これ飲んで…
ん…話せるかな?」

吸い口を彼女に差し出し
ゆっくりと液体が減って行くのを見た

中身は経口生理食塩水
薄いスポーツドリンクのようで
あまり美味しくはない
…とあたしは思うんだけどね

そうすれば彼女が言葉を紡ぐ

「瑠…李…」

小さくつぶやく声
…こりゃあ
アノ京吾の庇護欲をくすぐるわな

「るいちゃん…ね?んー…ゴメンね
カルテ書くから名字教えて…え?」

彼女が枕の上でふるふると頭を振る