竜胆〜りんどう〜

ドアが開く

降りなきゃダメなのか
こんな状況で降りたくはないよねぇ
ココが何処だかわかんないのにさ

イヤ…なんとなく想像は出来るんだけど
だから余計に降りたくはーーない

でももうすでに
あたしの横のドアは開いている…

考える間も無く
あたしの背中とシートの間に
スルリと手が入り込んだ

その手がグッと背中を押す

チラリと男を見やると
優しい眼差しをあたしに向け
またもう一度背中の手に力が入り押される

冷たいあの瞳じゃない…

そのコトが余計に不安に駆られる