「あさ…ひ…、ありがとう…」

ぎゅううっと強く抱きしめられて

心臓の音がはやくなるのがわかった。

恥ずかしさに耐えきれず、私は藤井を体から離そうと抵抗した………

が、抵抗しようとすると比例してもっと強く抱きしめられた。

恥ずかしさと藤井の腕の強さで呼吸ができなくなりそろそろ苦しくなってきた

「ふじ…っ…くるし…」

「あっ!ごめん!」

申し訳なさそうにバッと私を体から引き離した

「…」

「…」

しばらく重い沈黙が流れて廊下がザワザワしてきた

きっと生徒が登校してきたのだろう。

私は自分の机へ向かい腰を下ろすと何事もなかったかのようにいつもの刺激のない日常生活を今日も送った

バスケ部の活動も終わり、電車を二駅乗り継いで南駅で降りてそこから徒歩で家に向かった

夏とはいえ、8時台だと暗くて部活終わりの身体に少し寒い風が吹いていた

部活でも藤井と話すことなく帰ってきた

意識してしまうため話せなかった