幸せな気分のまま眠りについた私は幸せな気分のまま眠りから覚めた

「んんー…っ」

伸びを1つしてベッドから降りると日付が変わっているのを確認する

「よかった…夢じゃないーっ!」

ルンルンと軽い足取りで学校へ向かった

ドアをガラッと開け教室へ入ると

「あ、おはよう。陽」

その声にドキッとする

藤井だったから。

同じクラスだけど今日は話しかけられるとは思わなかったから思う様に声が出ず、手だけ振った。

「あれー?意識してるの?」

小馬鹿にするように藤井が笑いかけるので、

「う、うるさいなぁっ」


「…返事待ってるから」

私は藤井の真剣な表情を前に心臓あたりがきゅうっと苦しくなるのに耐えられず荷物を置いて2人きりの教室を早足で出た。

心臓の音で押し潰れそう…

そのぐらい意識してしまって不覚にもドキドキしてる

なんていえばいいか。

ものすごく好きが溢れてもう手のひらからこぼれてしまってるみたいだ

身体が芯から熱くなってもう呼吸もままならない。


…今すぐ伝えたい。

私はずっとずっと藤井のこと好きだったよって

藤井に好きって言われたとき夢かと思ったって

藍田さんのこと好きだって聞かされても諦めれなかったって


気づけば私は座っている藤井の前で息を切らして肩で呼吸をしていた。
伝えよう…


いざ口にしようと思うとさっきよりも苦しくなってドキドキして体温が上がってくるのがわかる

「陽…?」

心配そうにこちらを見つめる藤井に胸が締めつけられ一段と苦しくなった

1秒が1時間に思えてきてたったの10秒もものすごく長い時間藤井を見つめている気がした。

もう7年間の想いが爆発しそうだ。
藤井といて苦しかったときもあったし泣きそうなときも嬉しいときもあった

好き


好き


好き


好き…


「好き…」


口から気持ちがこぼれてることよりも


さきに気づいたのは藤井の腕の中だった。