そんなことを考えながら、ココアに視線をやる。


すると、さっきの健との会話が出てきた。



『美和はホントいーヤツだな!』

「…"いーヤツ"、か。」



やっぱり健は、アタシを恋愛対象として見ていない。


…アタシはさ?


こんなに、健のことが好きなのに。


"イイ人"じゃなくて、"スキナ人"になりたいのに。



「…バーカ。」



アタシはそう呟いて、店員さんを呼んだ。